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SE・PG志望または新人の必読書といえば

世間では今頃が就活シーズンなのでしょうか。

 

最近では制度がめまぐるしく変わっているので、どうなっているのやら分かりません。

 

とりあえず就活をする中でSE(システムエンジニア)やPG(プログラマー)に対してのイメージは大体以下の様なものでしょう。

 

「業界がブラックだからやめとけ。残業地獄。IT土方。メンタルも壊すらしいぞ」

 

「つぶしがきく(転職や独立がしやすい)」

 

「SIerはプログラミングはやらずにPMやるらしい。文系でもいいらしいよ。」

 

 

・・・基本的には合っていると思います。ただし、注意する点は転職先もブラックである可能性が大きいこと。独立・フリーランスにはかなりのコミュ力(営業力・人脈)が必要なこと、プログラミング経験が無いPM(それを自ら言ってしまう人)はチームメンバーのマネジメントに多少なりとも支障が出るということ。(見積もり能力はマネジメント経験の中で補えるのかもしれませんが、叱責する立場として現状を吸収する能力に関わるのではないかと思います。)

 

この業界を目指す方は何をもって仕事のリアルなイメージを掴めばいいかという話なのですが、ズバリ、なれるSE」というシリーズ小説です。企業の就活生向けのHPは何の価値もありません。そこには体温は宿らず、答えに向けて編集されたインタビューや業務説明が載っているだけです。その企業を受けるにあたっては意味があると思いますが。ネットの口コミは不満を持っている人に偏っていますので見るとゲンナリします。極端なんですね。

 

 

「なれるSE」はライトノベル風の表紙であるため食わず嫌いをする人も多いでしょうか。勿体ないです。IT業界経験者の著者のリアルな体験談が詰まっています。もちろん、小説であるが故の非現実的な部分はありますがそれはそれで明白です。(例えば上司が超美形のロリ顔少女であるところでしょうか。)開発現場のデスマーチ、顧客との折衝で要件を膨らませないこと。またはセキュリティやら申請フローがどんな具合であるか、プロパーと協力会社の社員の立場の違いはどういうものか。SEとして働く上でのリアルな現場が描かれています。

 

また、物語に出てくるように働き詰めであると、つぶしのきくはずの仕事もいつの間にか会社の中でしか通用しなくなっていることが多いです。IT業界が常に新しいことに携わっていると思い込むのはよくある思い込みです。銀行であるとホスト系と言われる基幹業務に携わるシステムであればCOBOLと言う化石言語をやらされる場合もありますし、オープン系の新システムとは言っても顧客がIE7、オフィス2003を使っていればその環境にわざわざ合わせて開発をします。マナーや対人能力はあまり磨けない職場も多いですので、意識しないと…。

 

…ちょっと話が本筋から逸れました。要するに”この小説では働いてみないとわからないことが結構分かる(働いた人が共感できる)”ということが私の言いたいことになります。

 

 

もちろん、先輩や身内に実際にSEやPGの方がいれば絶対に話を聞き込みましょう。なんとなく仕事を選ぶと後悔します。それはIT業界に限りません。学生から社会人になって3年間の間に絶対に嫌なことがあります。大卒でも3年で3割の離職率と言われていますが、3割が辞めるということは半分以上が辞めたいと思ったことが有るということです。納得してから就職しないとほぼ確実に辞めたいと思うでしょう。転職は一部の優秀な社員にとってのキャリアアップの手段、もしくは第二新卒というシステムのもとラストチャンスと称して違う業種違う会社に若手が転がる手段です。逃げの転職はもってのほか。給料も環境も悪くなって後悔することが多いです。

 

 

会社に都合のいい低コストなIT奴隷にならないために、読んでおくことをオススメします。

 

 

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